「歯が痛くなったら歯医者に行くもの」
そんなふうに思っていませんか?
実は、虫歯は“痛くなる前”から始まっています。
今回は、虫歯の一歩手前の状態である「脱灰(だっかい)」について、分かりやすくお話しします。
脱灰ってなに?
私たちの歯は、表面がとても硬い「エナメル質」で覆われています。このエナメル質は、カルシウムやリンといったミネラルでできています。
お口の中では、
食事をする
甘いものを食べる
ジュースやコーヒーを飲む
といったたびに、むし歯菌が糖をエサにして酸をつくります。その酸によって、歯の表面からミネラルが溶け出してしまう現象を脱灰といいます。
つまり、脱灰とは
「歯が少しずつ溶け始めている状態」
のことなのです。
まだ穴はあいていません
脱灰の段階では、歯にまだ穴はあいていません。
よく見ると、
歯の表面が白くにごって見える(白斑)
ツヤがなくなる
少しざらつく
といった変化が起こります。
この段階では痛みもありません。
そのため、多くの方が気づかないまま進行してしまいます。
しかし、ここがとても大事なポイントです。
脱灰は、元に戻せる可能性がある状態なのです。
再石灰化ってなに?
実は歯は、溶けっぱなしではありません。
私たちのだ液には、溶け出したカルシウムやリンを歯に戻す働きがあります。これを「再石灰化(さいせっかいか)」といいます。
食後にだ液がゆっくり働くことで、
溶ける(脱灰)
↓
修復する(再石灰化)
というバランスが保たれています。
しかし、
間食が多い
甘い飲み物をだらだら飲む
歯みがきが不十分
口が乾きやすい
といった状態が続くと、脱灰が再石灰化を上回ってしまいます。
その結果、歯に穴があき、本当の虫歯になってしまうのです。
脱灰を防ぐためにできること
① ダラダラ食べをやめる
時間を決めて食べることで、お口の中が酸性になる時間を減らせます。
② 正しい歯みがき
プラーク(歯垢)をきちんと落とすことが大切です。特に寝る前は丁寧に磨きましょう。
③ フッ素を取り入れる
フッ素には
・歯を強くする
・再石灰化を助ける
・むし歯菌の働きを弱める
という効果があります。
フッ素入り歯みがき粉の使用や、歯科医院でのフッ素塗布もおすすめです。
④ 定期検診を受ける
脱灰は、プロが見ると早期に発見できます。
早い段階なら削らずに経過観察で済むことも多いのです。
「削らない」で守れる歯を増やしたい
虫歯は、できてから削る病気ではなく、
できる前に止められる病気です。
脱灰の段階で気づき、生活習慣を見直すことで、歯を削らずに守れる可能性がぐっと高まります。
「痛くないから大丈夫」ではなく、
「痛くなる前にチェックしておこう」
そんな意識が、将来のご自身の歯を守ることにつながります。
少しでも気になることがあれば、お気軽にご相談くださいね。
大切な歯を、一緒に守っていきましょう。
監修歯科医師 土井幹夫
香里園レジデンス歯科・矯正歯科