インプラント治療に興味はあるけれど、「手術が不安」「本当に安全なの?」と心配になる方は多いと思います。そんな不安を少しでも減らし、より確実で安心できる治療を実現するために開発されたのが、Xガイド(X-guide)という最新の手術ナビゲーションシステムです。
今回は、このXガイドがどんなものなのか、そしてなぜ安全性が高いのかについて、できるだけ分かりやすくご紹介します。
◆ Xガイドってどんなもの?
Xガイドは、簡単に言うとインプラント手術中にドリルの位置や角度をリアルタイムで教えてくれる“カーナビのような装置”です。
インプラント治療では、あごの骨の中に人工歯根を正確に埋め込む必要があります。しかし骨の厚みや神経の位置は患者さんごとに異なり、わずかなズレが将来のトラブルにつながることもあります。
そこで登場したのがXガイド。
CT画像をもとに、インプラントの最適な角度・深さ・位置をコンピューターが三次元で管理し、ドクターにリアルタイムで表示してくれます。
そのため、従来よりも格段に精度の高い埋入が可能になるのです。

◆ どんなふうに安全性が高まるの?
① 神経や血管を避けて、より安心に
下あごには「下歯槽神経」という大切な神経が通っています。位置が深く、個人差もあるため、インプラント治療では特に注意が必要です。
XガイドではCT画像と手術中のドリルの動きがリンクしているため、神経までの距離が常に分かり、危険な位置に近づきすぎないようコントロールできます。
② 理想的な位置にピタッと埋められる
インプラントは、ただ骨に入ればいいというものではありません。
・将来の被せ物がきれいに入る位置
・清掃しやすく長くもつ形
・噛む力が適切に伝わる角度
これらを満たしてこそ「長持ちするインプラント」になります。
Xガイドでは、あらかじめ設計した理想の位置に0.3mm単位の精度で誘導できるため、長期的に安定するインプラントが期待できます。
③ 手術中の微調整にも強い
従来のサージカルガイド(プラスチックのマウスピース型のガイド)は、一度作ると途中で調整ができません。
しかしXガイドはリアルタイムで表示されるナビを確認しながら進められるため、骨の硬さやドリルの感触を見て微調整しながら最適な位置に導けるのも大きなメリットです。
◆ Xガイドを使ったインプラントの流れ
CT撮影
専用のクリップを付けた状態で、あごの骨や神経の位置を詳細に撮影します。
3Dシミュレーション
どこにインプラントを入れるのが最適かをコンピューターで設計します。
Xガイド設定
CTデータと患者さんのお口の位置を正確に合わせ(キャリブレーション)、ナビゲーションの準備をします。
リアルタイムナビゲーション下で埋入
モニターに表示されるガイドラインに合わせながら、角度・深さ・位置を確認しつつ埋入します。
確認と仕上げ
最後に位置をチェックして、治療終了となります。
従来の経験だけに頼らない、より科学的で安全性の高いインプラント治療が可能になります。
◆ こんな方こそXガイドはおすすめ
・インプラント手術を安心して受けたい方
・骨の幅が狭い、難症例といわれたことがある方
・より長持ちするインプラントを希望する方
・見た目や噛み合わせにこだわりたい方
Xガイドを使うことで、これまで難しいとされていたケースでも対応できる場合があります。
◆ まとめ ― 安全で正確、そして安心できるインプラントへ
インプラント治療は精密さが求められる医療です。
Xガイドはその精密さをサポートし、手術の安全性と成功率を高めてくれる心強いツールです。
・神経を避ける安全性
・長持ちするための理想的な位置への誘導
・リアルタイムでのナビゲーション
これらによって、患者さんにとってより安心できるインプラント治療が可能になります。
香里園レジデンス歯科・矯正歯科ではXガイドを導入しています。インプラントを検討されている方は、ぜひ一度「Xガイドを使った手術について知りたい」とご相談ください。
治療への不安が少しでも軽くなるお手伝いができれば幸いです。
監修歯科医師 土井幹夫
香里園レジデンス歯科・矯正歯科