「口を開けたときにカクッと音がする」
「大きなあくびをするとあごが痛い」
「固いものを食べるとあごが疲れる」
こうした症状がある方は、もしかすると「顎関節症(がくかんせつしょう)」かもしれません。これは、あごの関節やまわりの筋肉に負担がかかって起こる不調のことです。
どんな症状があるの?
顎関節症の代表的な症状には、次のようなものがあります。
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カクッと音がする:口を開け閉めするときに関節から音がする
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口が開きにくい:大きなあくびをしたいのに口が十分に開かない
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あごの痛み:食事や会話であごが痛んだり、重だるく感じる
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体の不調につながることも:肩こりや頭痛、耳の奥の違和感などにつながることもあります
症状は軽いこともあれば、日常生活に影響が出るほど強い場合もあります。
なぜ起こるの?
顎関節症は「これが原因」と一つに決められる病気ではありません。いくつかの理由が重なって起こることが多いです。
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歯ぎしりや食いしばり:眠っているときや集中しているときに、知らないうちに強い力をかけている
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噛み方のクセ:片方の歯ばかりで噛む、やわらかいものばかり食べて筋肉が弱る
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生活習慣や姿勢:頬杖をつく、長時間のスマホやパソコンで前かがみになる
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ストレス:緊張や不安から無意識にあごに力が入る
このように、普段の生活習慣や心の状態も関係しているのです。
どんな治療があるの?
顎関節症は、ほとんどの場合、手術などの大がかりな治療は必要ありません。次のような方法で改善を目指します。
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生活習慣を見直す
頬杖をやめる、正しい姿勢を心がける、片方の歯ばかりで噛まないようにするなど、小さな工夫が大切です。 -
マウスピースを使う
夜寝るときに装着することで、歯ぎしりや食いしばりからあごを守ります。 -
痛み止めや筋肉をやわらげる薬
痛みが強いときには薬を使って楽にすることもあります。 -
ストレッチやマッサージ
あごのまわりの筋肉をほぐす運動やリハビリを行うこともあります。
多くの方はこうした治療でよくなっていきます。
受診したほうがいいとき
次のような場合は、自己判断せず歯科にご相談ください。
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指を2本分以上入れられないほど口が開かない
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食事や会話のたびに強い痛みがある
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症状が長引いて改善しない
早めに相談することで、症状が悪化する前に対応できます。
まとめ
顎関節症は命にかかわる病気ではありませんが、毎日の食事や会話に影響するため、放っておくととてもつらいものです。
「気になるけれどそのうち治るかな」と思っているうちに悪化することもあります。少しでも違和感があれば、どうぞ気軽にご相談ください。
快適に食べて、話して、笑える毎日を守っていきましょう。