みなさんは「パタカラ体操」という言葉を聞いたことがありますか?
これは、口や舌の筋肉を鍛えるための簡単なトレーニングで、特別な道具も必要なく、誰でも気軽に始められる健康法です。歯科医院や介護施設などでも推奨されており、食べる・話す・飲み込むといった大切な機能を維持するために役立ちます。
パタカラ体操とは?
「パタカラ」という名前は、発音するときに使う4つの音からきています。
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パ:唇をしっかり閉じて開く動き(口輪筋を鍛える)
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タ:舌先を上あごの前歯の裏につける動き(舌の先端の筋力アップ)
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カ:舌の奥を持ち上げる動き(舌根部を鍛える)
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ラ:舌を大きく動かす動き(舌全体の柔軟性アップ)
この4音をはっきり、リズミカルに繰り返すだけで、お口のまわりや舌の筋肉が鍛えられ、食事や会話がスムーズになります。
どうして必要なの?
加齢や生活習慣の影響で、お口や舌の筋肉は少しずつ衰えていきます。すると…
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食べ物をうまく噛めない
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飲み込みがスムーズにできない(誤嚥のリスクが上がる)
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言葉がはっきり発音できない
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よだれが出やすくなる
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口呼吸になりやすい
こうした症状は、日常生活の質を下げるだけでなく、肺炎や栄養不良などの健康トラブルにつながることもあります。パタカラ体操は、この「口腔機能低下」を予防・改善するための効果的な方法です。
やり方
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姿勢を正す
椅子に座り、背筋を伸ばします。 -
4つの音を順番に発音
「パ・タ・カ・ラ」とはっきり発音します。
ポイントは、大きく・ゆっくり・はっきり。 -
繰り返し
1セット5回を目安に、1日3セット程度行いましょう。 -
声を出せない場合
声を出さずに口や舌だけを動かしても効果があります。
効果を高めるコツ
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鏡を見ながら行うと、口や舌の動きを意識しやすくなります。
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噛む力や飲み込みに不安がある方は、無理のない範囲で始めましょう。
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早口言葉のようにスピードを上げると、脳トレにもなります。
パタカラ体操で期待できる効果
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嚥下機能(飲み込み)向上
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発音の明瞭化
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唾液分泌の促進(ドライマウス予防)
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口呼吸から鼻呼吸への改善
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認知症予防の一助(脳への刺激が増えるため)
まとめ
パタカラ体操は、毎日わずか数分でできる、とてもシンプルで効果的なお口の健康習慣です。続けることで、将来の食事や会話のしやすさが変わってきます。
食べること、話すこと、笑うことは人生の大きな楽しみ。今日からぜひ「パ・タ・カ・ラ」と声に出して、口と舌の筋トレを始めてみましょう。
当院では患者さんに直接指導を行っておりますので、気になる方はぜひお声がけくださいね。